新日鉄くろがね線 (九州北部乗り潰しの旅 その24)

行橋から日豊線で西小倉まで移動し、西小倉からは鹿児島線

スペースワールド駅で下車しました。
イメージ 1
その名の通りテーマパーク「スペースワールド」の最寄り駅。


しかし一人旅中の鉄オタがそんなところに興味があるわけも無く。

見に来たのはこんなもの。
イメージ 2
イメージ 3
フェンスが…

まぁこれでは一体何か全く分からないですよね。

フェンスにはこんな看板があるのです。
イメージ 4
フェンスの向こうは新日鉄の敷地。
要するに、新日鉄の専用鉄道なのです。

新日鉄八幡製鉄所の八幡地区と戸畑地区を結ぶ専用鉄道。
扱いとしては工場の構内線であるため旅客輸送なども行われず、
それゆえ時刻表などにこの鉄道が掲載されることもありません。

なかなかにミステリアスな雰囲気を秘めた路線であります。
ちなみにこの路線、路線ごとまとめて近代化産業遺産群に指定されているそうです。

ひとまずこの路線を追いつつ、隣の枝光駅まで移動します。

スペースワールド駅を出てしばらくすると、路線は鹿児島本線をくぐります。
イメージ 5
妙に広いスペースが周囲にあるのがなんか不思議。

線路横にあるパイプはいろんなものを送ってるようです。
イメージ 6
窒素に水素に天然ガス

さらに進むと巨大な鉄橋が。
イメージ 7
この写真では分かりづらいですが、年代の違う鉄橋が2本並んでいます。
古い方は鉄道橋としては使われていない様子でした。

さらに進んでトンネル手前の陸橋から。
イメージ 8
かつては複線だった、とのことですが、今の鉄橋には単線分のスペースしかありません。

今はパイプラインとなっている古い方の鉄橋には複線分の路盤がありますね。
掛け替えと単線切り替えは同時だったんでしょうか。

振り返ればそこにはずいぶんと味のあるトンネル坑口。
イメージ 9
宮田山トンネルです。



トンネル前で待つことしばし。
非常に低速、ゆっくりというより、もうのったりとしたペースで貨物列車がやってきました。
イメージ 10
機関車の形状が非常に独特です。
小さなデッキもそうですが、完全にスカートで覆われた足回りも今までに見たことの無いカタチ。

上部4隅に取り付けられたオレンジの回転灯も他では見ませんね。
工場構内を移動するときなんかは点灯するんでしょうか。

ゆっくりとトンネル内に進入していきます。
イメージ 11
機関車もそうですが、後ろの貨車もなかなか独特ですね。
こんな風にカバーがついたものって今まで見たこと無いです。

カバーつき貨車の次にもまた変わった車両が連なっています。
イメージ 12
イメージ 13
一体何を運ぶための車両なんでしょうか。
いやまぁ何を運ぶも何も製鉄所の専用鉄道なんだから当然鉄に関する何かなんだろうけども。

実にミステリアスですねー。見ててなんだかワクワクしてきます。

そして最後尾にはもう1両機関車が。貫通扉全開。
イメージ 14
こちらの機関車にはパンタグラフがありません。
どうやらディーゼル機関車の様子。

ELとDLのプッシュプル列車ってこれまた独特です。
不思議なモノだらけで見ててホントに楽しいです。


そして列車はトンネルへと吸い込まれていきました。
イメージ 15
トンネル入るところから加速開始したのは、単に勾配の問題なのか。
それとも騒音対策なのか。

速度は本当にゆっくりだったので、無骨な外見とは逆に、とても静かな列車でした。
とりあえず見たことの無いものってのはワクワクするものですね。

この路線、構内扱いということは運転には免許なんかは要らないんでしょうか?
でも運行、維持管理には当然専門知識が必要となるわけですし、その辺はどうやってるんでしょうか。


自社育成だけで何とかしてるんでしょうか。
それなら新日鉄には鉄道部門なんてものもあるわけですよね。

そこで働いてみてぇなぁ(笑)
色々気になるところがいっぱいです。


列車を見送った後、横で写真を撮っていた人とちょっと話をしてからその場を後にしました。
その隣では制服着た中学生がじっと列車を見つめていたのがちょっと印象的でした。

キミ地元の人間だろうに、そんなに珍しいものなのかね。


とりあえず見るもの見たので帰り路へつくことにします。
出来ればもうちょっと居たかったし、トンネルの向こう側も気になるのですが。

まぁ、時間がないので仕方ありません。

つづく。