ことちゃんと一緒に  ことでんレトロ満喫の旅 その4

20形23号の車内。
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レトロ列車とは言え、
車内はなかなか綺麗な状態に保たれています。

まぁ、割と最近まで普通に定期列車で現役で走ってた車両ですしね。

いやしかしこの車両、車内の装飾が凝ってますね。
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ドア脇の彫刻なんてね。いやこれなんですか。
電車の車内とは思えない雰囲気です。


また音がいいですね。
重く響くモーター音。

よく知らないけど、これが吊り掛け駆動の音というやつなのでしょうか。


さらに途中駅で隣の車両へ。
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こちらは1000形120号。
琴平鉄道開業時からの車両だとか。

さらに隣の車両に…
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な、なんかおる。

ことでんのマスコットキャラクター、ことちゃん。
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子供に大人気です。

ペンギンではありません。イルカです。
イルカの駅員さん。うどんが大好きでちょっとお腹が出てきたのが気になる、とか。

一応瀬戸内海には、スナメリという小型のイルカが生息します。
しかしそうは言っても、ほとんどと言っていいほどイルカのイメージの無い香川県

なのにマスコットもイルカなら、ICカードもIruCa(いるか)です。

ことでんが、あえてイルカを選んだ理由。
そこには苦い苦い過去がありました。

1996年。瓦町新駅舎が完成し、
駅ビルには翌年そごうと提携した「コトデンそごう」が開業します。

高松の中心地の新たなる顔として開業した新駅舎と駅ビル。

しかし、なんとこれからわずか4年を経たずして、
そごうとコトデンそごうを含むそごうグループは倒産してしまいます。

その影響は大きく、債務保証が原因で琴電本体までもが民事再生法の適用を申請。
事実上の倒産となってしまいました。

鉄道事業の安定を図るための「コトデンそごう」だったはずが、
逆に本体を巻き込んで潰れてしまうという結果に終わってしまいます。

結果、地元自治体や地元企業の支援をもとに再建への道を歩むことになるのですが…
そこで待っていたのは想像以上に冷たい地元の声でした。

「どうして民間企業の失敗を税金で補填しなくてはならないのか。」
「こちらの要望には何一つ応えもしないのに、自分が困ったら助けてくれとは虫がよすぎる。」

廃線になってもさしたる影響はない。」

あまりに強烈なまでの拒否反応。
しかしそれもある種、仕方のないことでもありました。

駅は汚い、電車は古い、駅員の態度が悪い。
施設改善の要望には全く応えてもくれない。

そんな地元の積もり積もった不満が、
この機に一気に噴きだしてしまったのでした。

例えば今でこそ「レトロ列車」として観光資産のひとつとなっている旧型電車。
しかし、これらの列車はほんの最近まで普通に営業用車両として走っていたのです。

日常的に乗る車両として、果たしてふさわしいと言えましょうか。
車体が小さく収容力もなく、夏には冷房さえついていません。
揺れだってなかなかのもんです。

「鉄道は必要だが、琴電はいらない。」

この一言にすべてが表れています。
みんな、公共交通機関としての鉄道が必要なのは分かってはいるのです。

しかしそれ以上に問われていたのが会社としての姿勢であったのでしょう。

例えば再建に向けた計画の中で、
「全車両のワックス掛け等の清掃を直ちに実施します」とうたわれています。

意地悪な見方をすれば、そんなことですら、今の今までやっていなかったのか?ということですよね。



経営陣を刷新し、新たに再生の道を歩み始めたことでん
様々な改善が進む中、産まれたのが「ことちゃん」でした。

「イルカ」はつまり「要るか?」。


琴電は、必要ですか」
そう問いかけた過去を忘れないために。

琴電はいらない」
二度とその答えを繰り返さないために。

そしてこの先もずっと、自分たちの価値を問いかける姿勢を持ち続けるために。

見事再生を果たし復活を遂げた新生ことでんと共に、ことちゃんの挑戦はまだまだ続くのです。


えー、なんか話が脱線した上に長くなってしまいましたね。
本題に戻りましょう。

一宮駅ではホーム挟んで1070形と並びました。
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この駅止まりの後続に追いつかれるというのもなんだか不思議なダイヤです。


ことちゃんの隣に座り、列車に揺られていきます。
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頭が吊り革についてしまっていますw
通路もかなり塞いでいますw

いいんだろうかこんなマスコットw


列車は滝宮駅に到着。
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ちょっとここで下車して寄り道します。




つづく