あかがね色の列車に乗って  紅葉の碓氷・足尾 その9

明けて翌日、11月13日。
この日はまず前橋から桐生へ移動しました。(写真は後続列車)
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群馬DCに合わせ、列車の側面に描かれたぐんまちゃん。
群馬だから「馬」、デザインも普通に馬、と、
なんだか…とりあえずさっと作ってみましたみたいな雰囲気にあふれているようなw

でもなんかカワイイ。なぜだ。


さて、この日も一応目的は紅葉鑑賞。
そこに鉄道を持ってきちゃうのがまぁ…あれなんですけども。


これから乗るのはわたらせ渓谷鐵道
桐生から足尾の間を結ぶ総延長44.1kmの路線です。

その名の通り、渡良瀬渓谷の美しい眺めが車窓には続きます。

もともとは足尾銅山より産出される鉱石輸送を目的に建設されたもの。
それを国が買収し国鉄足尾線となりました。

しかし時は流れ、資源枯渇により銅山が閉山。
これにより終着の町足尾の人口が激減し、それに伴い旅客輸送量が減少してしまいます。

その後も設備を活用し輸入鉱石の精錬は続くも、
これも縮小したことでこの路線の主目的であった貨物輸送が消滅。

客貨双方の輸送量の減少から、1989年、第3セクターわたらせ渓谷鐵道に転換されました。
経営状況は相当に厳しく、近年には廃止も現実的なものとして何度も話に上がっています。

かつてはお値段1万円で1年間有効の全線フリーパス、
まさにその名の通り夢のような切符、「わたらせ夢切符」を発売し、話題を呼んだこともありました。

経営再建のかけた切符だったのですが、逆にこれが見事に大爆死。

当初の販売枚数見込みは年度あたり2万2千枚。
ところが9月から発売を行った06年度、発売枚数はわずかに3922枚。

それも地元の医師が支援のために1000枚を購入してこの数字。
想定をはるかに下回る販売不振ぶりです。
さらに定期利用客がこちらに移行してしまい、この収入減がドカン。

経営再建の切り札のはずが逆に経営に大打撃を与えてしまい、
わずか1年限りで発売中止となったのでした。


とりあえずはまぁ、最近では鉄道を残す方向での再建策が真剣に検討されているようです。
この失敗はいよいよ本気でアカン、ということだったんでしょうか。

まぁそれまでも真剣でなかったわけじゃないんでしょうけども、
支援の内容とかちらっと見ると…ちょっと差は感じるんですよね。

気のせいかもしれないけれど。


さて、長い前置きはさておいて、とりあえず列車に乗り込むことに。
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ディーゼルカーの塗装は銅(あかがね)色だそうで。
やはり足尾と深く結びついた路線なんですね。こげ茶に見えるけど。

車内で1日フリー切符(1800円)と、トロッコ列車整理券(500円)を購入しました。


大間々で一度乗り換え。
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紅葉シーズンとあって混雑する、というのは聞いていましたが、
ちょっと想像もしていなかった量の人が乗り込んでいきます。

桐生出発時点で既に立ち客でつり革が7割がたは埋まるくらいの乗車率だったんですが…
いくら紅葉がきれいでも、レールバスにすし詰めで、ってちょっとキツイような…

ホームを少し歩いてこちらの列車に乗り換えです。
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ロッコわたらせ渓谷号。
列車は定員制で、この日のトロッコ列車乗車分の整理券は既に満席。

しかしこの列車、トロッコ車両と一般車両を2両ずつ連結しており、
一般車両に関しては当日販売限定で整理券が発売されます。

先ほど車内で購入したのはそちらの整理券だったのでした。
SLもおかのときのように、
彼女にトロッコ部分の整理券を購入しておいてもらってもよかったんですが…
正直、今回ここに来るかどうか微妙でw

足尾に確定したのって、実は前日の夜でしたw
一応行きたいな、とは言ってたんですが。

一般客車はこんな感じ。
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中は普通に12系客車って感じです。
実は普通、とか簡単に言えるほど乗車経験無かったりもするけど。

そしてトロッコ部分はこんな様子です。
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なんと元は京王の5000系なのだとか。
琴電とか伊予鉄で走ってるあれと同じ…

まるで想像がつきませんねー。
大改造!って感じだ。



ひとまず先頭車両に座席を確保。
わたらせトロッコの旅のはじまりです。




つづく