国道フェリーに2度目のさよなら

もう3年前になりますでしょうか。

宇高航路が廃止。
そんなニュースが飛び込んできたのは。

慌てて名残乗船に向かったものの、
その後一転して両社とも廃止を撤回。

会社を統合して経営再建も、なんて話もいつの間にやらうやむやに。
とりあえずは2社による運航体制が続いていたのですが…

それから時を経ておおよそ2年半。

2012年8月24日。
2社のうちの一方、国道フェリーが10月14日より1年間の事業休止を届け出たのです。


ついに、というか。やはり、というか。
とりあえずまぁ、瀬戸大橋線に乗らねばならぬ用が出来たので、
どうせなら平行の宇高航路を使って行こうじゃないかと。

2度目のサヨナラを告げに、宇野へ。
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岡山地区で湘南色を見るとなんだかほっとします。
正直カフェオレ色からしてあまり好きじゃなくてですね。

でも真っ黄色が登場した今となっては…


さて、駅前に出ればすぐに高松行きのフェリー乗り場が見えてきます。
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ところが。

目指す国道フェリー乗り場はというと駅からちょっと離れてしまっているのです。
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奥に小さく見えるでしょうか。
国道フェリー乗り場のネオン看板。

まぁ、そもそも歩行者相手で採算とれる商売じゃないですから、
この距離はどっちでもいいものなのかもしれませんが…
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ちょっと、なんというか。


きっぷの半券には、涙ぐましい努力の跡。
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「うどん県」。
香川県が打ち出したこのキャッチフレーズにまるごと乗っかり、
宇高うどんフェリーと改名(?)して出発したのが2012年5月。
行き先もうどん県高松に。

それも半年、持たなかったわけです…。


涙ぐましい努力の跡、その2。
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なんと船内に漫画喫茶が設置されているのです。

利用料金は500円。
回数券も設定されているようでした。
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いい暇つぶしになりそうで、ちょっと興味はあったのですが。
乗ってみたいと思ううち、先に終わりが来てしまいました。


ただ、考えてみれば、この航路の乗船時間ってせいぜい1時間なわけで。
そこに500円。果たしてどうでしょうか。

そのくらいの時間だったら、
適当に雑誌でも買って乗り込んでしまえば、十分事足りてしまうんですよね…

イデアは面白かったと思うのですが…
たとえば八幡浜-別府航路や、神戸-高松航路なんかの、
それなりの長時間航路だったら、自分は駆け込まずにはいられなかっただろうと思うのです。


そのうち高松港は目前に。
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綺麗ですね。
片道たった390円でこの景色が味わえる。
これも船旅の素晴らしさだと思うのですが。

ちょっと気楽に楽しめなくなってしまいます。


乗降船口にはこんな表記。
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自分はここの2社だったら国道フェリーの方が好きでした。
乗船タラップが歩行者専用であるんですよ。
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甲板から自動車と一緒に乗り降りさせられるよりも気遣いを感じるというか。

まぁ、これも統合を阻んだ一因でもあるんですがね…


このどこか古臭いネオンサイン。
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まぁネオンサイン自体が古臭いですかね。

この灯が消えるときがもうすぐそこにと思うと、
なんとも感傷的な気分で見つめてしまいます。

乗るの2回目のクセしてね。


さようなら、ですね。
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時の流れといってしまえば簡単なんでしょうけど。

なかなかそう単純にできてないのが人間難しいところです。



ただ、今回は廃止でなく、休止。
小さいものかもしれませんが、まだ望みは残されたままなんですよね。




いつかまた会える、その日まで…