キハ65はどうするべきなんだろうか

キハ65の危機、なんてニュースを見てちょっと考えたこととか。

まず問題のニュース引用します。

往年の国鉄ディーゼルカー「キハ65形」解体の危機 
産経新聞

 日本の高度経済成長を牽引(けんいん)し、車体の塗装と座席の状態が全国で唯一、旧国鉄時代のまま残る急行型気動車「キハ65形」が四国で解体の危機に瀕(ひん)している。昨年10月で定期運行を終えた車両は現在工場で保管。JR四国には鉄道ファンから「思い出の車両を何とか残してほしい」との希望が多数寄せられる一方、保存コストなどから「廃車、解体の方向」とすることに同社内でも異論があるといい、産業遺産とも言える昭和の名列車の運命が注目されている。


 クリーム色に赤い縁取りの塗装と、内部のクロスシートが特徴のキハ65形は急行形車両のキハ58系の発展型として昭和44年に開発された。全盛期には全国の非電化路線で運用され、電化区間の短い四国には全製造数の約半数にあたる43両が配置された。

 国鉄民営化後はJR各社で塗装の変更や車両内部の改造などが進み、電化の促進と車両の老朽化で順次引退。中国地方で昨年6月に姿を消したのに続いて、JR四国は10月、キハ65形を含む同型系統の保有車両計11両を同社管内から引退させた。

 これを機に、愛媛県西条市の四国鉄道文化館(尾崎俊館長)では昨年11月、キハ65形1両を同社から借り受け、一般展示を始めた。展示が決まると同館には保存を望む声や問い合わせが相次ぎ、市民や全国各地からファンが駆けつけた。

 多くのファンに惜しまれつつ展示は今月6日で終了し、7日朝に香川県多度津町のJR四国多度津工場に回送された。現在は解体の時を待っている状態だという。

 同館を訪れた松山市の矢野浩司さん(44)は「これまで生きてきた道のりを一緒に歩んできたキハ65形。里帰りでよく利用した思い出がこみ上げてくる」と語った。

 こうした“キハ65形人気”に、同社広報室は「ホームページや電話で保存を望む意見はいただいている」とするが、保存には費用負担や用地確保など課題が多く、買い取り手が現れたとしても輸送コストだけで数百万円を要するなど、保存は容易ではないという。

 一方で関係者によると、歴史的な価値を考慮して同社上層部でも解体をめぐって論議が交わされており、公式見解も「基本的には解体。しかし再検討の余地はある」と含みを持たせている。

 同館の尾崎館長は「JRが解体を決めるのなら仕方ないが、鉄道文化館の周辺整備が進めばぜひ車両を留置したい」と話している。

とりあえず残せるもんなら残して欲しい、その方向で考えて欲しいというのがまず自分の基本線です。
解体してしまったものは二度と帰ってこない訳ですし、
残して手入れを続ければ続けるほどその歴史的価値は上がっていくものだと思います。


ただ、残すという選択がどれほど有益なのかな、という疑問もあるんですよ。


一応ファンから希望は寄せられてるようですし、展示期間中の入館者が増えたって記事もありました。
国鉄道文化館の実車展示はDF50の1号機と0系カットボディだけとちょっと貧弱。

ここにキハ65が加わることで魅力を増す、というのはまぁありはありでしょう。

しかし増えた入館者って、1週間でほぼ倍とは言え実数2246人なんですよね。

うーん…
1日あたり7で割って約320人、いや水曜休館日を考えると約370人。
となると平常時は160~185人ほど、ですよね…
この数字ってどんなもんなんでしょう。
これはキハ65の期間限定展示で得られた部分もあるでしょうし、
だとすれば、常設となったらまぁこの数字は望めない気もします。

単純にこの増加分の増収で保存費用がまかなえるなら話はそこで終わるんですけども、
まぁ増加が今後どれほどになるのかも分からないところでは正直微妙なとこですよねぇ。


そもそも現状で収益がどんなもんなのかもわかんないですし。
増収したところでまだ赤字、とかだったら目も当てられない。


でもこの鉄道文化館の展示というか規模、正直現状では小さすぎないですかね。

「新幹線の父」旧国鉄総裁 十河 信二の出身地に0系を、とか
そういう心意気はいいと思うんですけども…

それだけで人が呼べるか、って言ったらね…
ここだけで「観光地」として完結する性格のものではないようなので仕方ないのかもしれないですけど。

観光の目的そのものでなくあくまでついでに、みたいなものなんでしょう。
メインじゃなくて脇役みたいな。


それでも言っちゃ悪いですが「一度見れば十分」な感がちょっと強すぎる気がします。
まぁ何度も行きたくなる観光地ってのはなかなか難しいものですが。



まぁそういう意味では個人的には多度津のマヤとか展示して欲しかったですけどね。
ああいう普段滅多に見れないもの近寄れないものこそ間近で見たいじゃないですか。

一般人への受けは悪すぎるでしょうしそう簡単な話じゃないんでしょうけど。


で、まぁ話は戻りますが、でもその一般人という意味で考えると、
キハ65の方はそれはそれでどうなんだろう、とも思うんですよね。

去年の1月に自分は一度キハ58・65に乗車していますが、
「外を歩ける格好」をしていたにもかかわらず隙間風が耐えられないほど寒かったです。

これって一般の人にしてみれば、乗車環境においては不快である
ただのボロとしか見えない、思えないんじゃないのか…と思ったんですよ。

正直自分が乗った限りではあんなの毎日乗らされたらキレるよ、ってレベルでした。
キハ達に魅力を感じる人間が乗ってこれです。魅力を感じない人にとっては…

うーん…
いやまぁ過去ってのは美化されるもんですし、
昔しんどい思いをした車両、とかいう懐かしさも出るかもしれませんけど。


まぁその、キハ65に価値を感じる人たちの支援によってで保存が達成されるのが
選択としてはベストであろうなとは思います。

やっぱりまぁ、支援によって、です。
希望の声で、では無いですね。

やっぱり残して欲しいなら何らかの行動を起こさないと、と思います。「声」だけではね。
自分が言うのもアレですけど。

いやまぁ保存に対して何か活動するなら乗らないでもないけど。
こうやって言った責任はあるし。

でも自分から動きを起こすほどのアレはないです。


でもまぁ何か「行動」というか、正直具体的にはお金ですよね。

となるとまぁキハ65に価値を感じ且つそれに対してお金を出せる人がどれだけいるか、って問題ですか。
どれだけ人数がいるのか、どれだけ意思を統一できるか…

ぶっちゃけていえばキハがどれだけ「稼げる」か、ですか。
魅力が無い訳ない、とは思うけど…

いっそ誰かが買い取って運搬費まで出してくれれば何の問題も無いんですけどね。
そんな人間そうそういるわけない。

難しいところです。


でもまぁやっぱり出来れば解体は勘弁して欲しいなー、と思います。
潰しちゃったらもうどうにもならなくなる。




というか最後にホントにものすごく個人的かつどうでもいい意見なんですけど、
片運転台の車両1両だけ保存ってなんだか気持ち悪い気がするんです。収まりが悪いというか。

なのでもし保存がかなうなら、出来ればキハ58とセットで保存して欲しいものです。
でも58ってまだ残ってるんだろうか。

…もう無いかも知らんなぁ。