【加古川刑務所専用線】

今回紹介する区間は非常にマイナーなもの。
加古川駅加古川刑務所の間を結んでいた専用線加古川刑務所専用線です。

そもそも刑務所に専用線を敷く目的というのはなかなかあるものではないんですが、
今回のケースは「刑務所に専用線が敷かれた」のではなく
専用線の目的地が刑務所に変わった」というのが正しいところです。

詳しいところは分からないですが、この路線の開通は戦前。
現在の加古川刑務所はかつて神野弾薬庫という軍事施設でありまして、
その施設への輸送のためにこの専用線が敷かれたとか。

なので刑務所専用線という表現は正しくないかもしれません。
でもまぁ一応この方が分かりやすいかな、と思いまして。

とりあえず今回久々にワイワイマップと連携してやっていきます。
国鉄高砂線跡のマップに一緒に載せる形でやっていこうかと。


探索開始はJR加古川駅
自転車で2時間半ほどかけてやって来ました。

とりあえず駅前の地図で位置を再確認、と思ったんですが…
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加古川刑務所の文字が地図上見当たりません。
わざわざ載せるような施設じゃないからかなぁ。


とりあえず予備知識とケータイで呼び出した詳細地図を頼りに進むことにします。

高砂線との分岐跡からもうひとつ進んだところ。
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ここがおそらく専用線の分岐点だったのではないかと思われます。
道の形などがどうもそれっぽい。

ケータイで確認した地図でも加古川刑務所につながるルートはこの道のように見えます。


しかし家々の玄関が完全にこちらを向いていることから見ても、
既に廃止から相当の月日が経っているという事が伺えます。

しばらく進むと片側2車線の広い道路に完全に分断されています。
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地図に上げた「専用線 地点A」はこのちょっと先。


交差点を越えて少し左から入る道が専用線跡。(専用線 地点B)
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緩やかなカーブがいかにも鉄道路線跡らしいです。

地区の掲示板は現在とはぜんぜん違う様子でした。
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中央を真横に走るのが専用線跡の道路。
こうやって見るとえらく違うなぁ。

道なりに進むと左手にこんな看板。
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この道路がかつての鉄道跡であることをささやかながら主張しています。

ちょうどこの看板の下を水路が通っているので、
何かしら遺構がないかと覗き込みましたが何もありませんでした。


さらに進むと加古川バイパスにぶち当たります。
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ここでも専用線跡は完全に分断されてしまっています。

ちなみに余談ながらこの加古川バイパスって未成線だったりします。
かつての「弾丸列車計画」の用地を再利用したものなのです。

世が世ならここは鉄道の立体交差になっていたのかも知れないですね。


ここから先も道なりに進むものの特に遺構なども見られません。
普通のサイクリングですねこりゃ。

しかし別府川のひとつ先にかかる道路橋の下にこの路線最大の遺構が隠されていました。
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見た限り何の変哲も無い道路橋。

しかし、下を覗くとガーター橋が!
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ただガーター橋が残るだけで鉄道遺構と決め付けるのは早すぎるかもしれません。

しかしこのガーター橋、リベット止めになっています。
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リベット止めというのは鉄橋の中では最も古典的な接合法になります。

また、断言は出来ませんが、鉄橋の側面、縦に入っている帯状の補剛材の最下部の様子を見る限りは、
鉄道橋梁であるなら戦前までのものでないのか、と思われます。

なのでやっぱりこれは戦前に路線建設のために据え付けられた鉄橋の名残なのでは、と思うのです。
というかそう思いたいw

手元の資料を必死こいて読みあさったレベルの知識で必死に考えましたw

ちなみに内部の様子はこんな感じです。
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詳しい人なら年代とかすぐ分かるんでしょうかねぇ。

というか今思うと鉄橋の横幅から推定するという手もありでしたね。


鉄橋跡を越え、かつて高射砲陣地だったというハリマ化成の工場を右手に見つつ進むと
線路跡は一気に左手へと進路を変えていきます。(地点C)
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こちらもやはりどこか鉄道跡らしいカーブです。


カーブを曲がりしばらくまっすぐに進めば終着点。
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おそらく線路はまっすぐ進んでいたんでしょう。
この段差を越えたところにかつて弾薬庫があったとか。

最近建物は解体され完全に広場となっています。
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この日はゲートボールをする人がたくさんでした。


加古川駅からここまではおよそ3km。
自転車だとあっという間の道のりでした。

まぁ、ちょっと見てみるくらいのレベルの探索にはいいかもしれません。
予備知識が無いとちょっと面白くないですけどね。

さてとりあえず廃線跡歩きはネタ切れ。
来年以降の探索にご期待ください、ってところですかw