駅直結のビル   姫路モノレール跡を訪ねて その3

このビルが姫路モノレール唯一の中間駅、大将軍。
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ビルの3階・4階部分を吹き抜け構造とし、そこに駅が設置されています。

駅より下層階は前回訪問時にはいくつか店舗が入っていたような記憶がありますが、
現在は営業していないのでしょうか。

駅より上層階は公団住宅
駅から徒歩何分とか言う次元ではありません。
駅直結ですよ。駅から降りたらもうお家。あとは階段のぼるだけ。

どれほど便利かと。


…まぁ、その路線が通勤先近くに伸びていれば、の話ですが。

ここは姫路駅からわずかに0.5km地点。
歩いて10分かかるかどうかってレベルであります。
下手したら列車待つより歩いたほうが早い。

片や終点手柄山は公園の中ですからね。通勤先があらしまへん。
誰がこの条件で、わざわざ運賃の高いモノレールを通勤に使うようなことがありましょうか。

悲しいかな、開業後わずか2年ほどで駅としては休止となってしまったそうです。

しかし公団住宅としては当然現役。今も居住者がいるのです。
いなけりゃ補修もするわけないですしね。

こちら側にはかつて営業していたビジネスホテルの跡が見て取れますね。
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一度この駅も見物してみたいものですが…
駅内部はハトのフンに埋め尽くされているとかいう話です。


しかし発想としてはこれはやはり延伸を見据えた駅だったのでしょうね。
手柄山からさらに南方の工業地帯まで延伸すれば、当然通勤需要は見込めたはずですし。

ただまぁ、単線のモノレールが通勤需要に果たしてどこまで耐えられるのか、少し疑問も残るのですが。
ピストン輸送だけでは当然無理でしょうけど、モノレールで行き違い設備というのも…ねぇ。

画期的構造ではあったのですが、
それを生かすにはちょっと誕生が早すぎたようにも思います。

モノレールの計画そのものからしてそうですが、
ちょっと時代を先取りしすぎな面がありますよね。



かつて駅を出た先は道路が高架状になっていたのですが、
いつの間にやら撤去されており駅を眺めやすくなっていました。
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建物自体も特異な構造ですよね。
中空でしかもカーブした高層ビルって…


蛍光灯さえまだ残ってるんですね…
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あまりにそのまますぎてちょっと驚きです。


道路を越えると軌道は一気に南に進路を取ります。
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ここからも姫路モノレールの特異な風景が続くのです。


軌道は川沿いへと進みます。
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この川沿い、というか川の中に軌道を建設するというのも、この姫路モノレールの特徴でした。
これにより用地買収費を低廉に抑えることが出来る、と。

かつてこの川は姫路の水運の要だったとか。
時を越え、そして形を変え再び輸送の要へ、と、
そんな風にモノレール開業時は夢見られていたのかもしれません。

とぎれとぎれの軌道も、こうしてみるとかつての情景が想像できるようです。
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無機的なコンクリートの橋脚と軌道なんですが、
この曲線やカントが何とも言えず不思議な雰囲気を醸し出している気がします。



つづく