雨の日の操車はツライよ

今日は操車でした。
雨なのに。雨なのに。


とか言っても何のことかわからないですよね。
せっかくなので久々の駅員さんのお仕事のお話シリーズでも。

今日のお仕事であった操車担務。
今までは外作業、とか構内作業、とかぼかした言い方をしていました。
まぁ説明するのがめんどくさかっただけなのですが。

で、操車業務とは何をするのかと。
単純に言えば入れ換え作業の際に各担当者に指示を出す、のが操車の仕事です。

で、入れ換えとは何ぞや、と。
列車は常に営業列車として同じ場所を走り続けているわけではありません。

営業が終われば車両基地なり留置線なりに移動が必要になります。
その際、信号で車両の誘導が出来れば簡単なんですが、
そうはいかない場面とか条件もあり。

そういう時に運転士に対して旗を振るなり合図灯を使うなりして指示を出すのが操車のお仕事。
こちらは以前いた駅でやっていましたが、
運転台に乗り込んで運転士に指示を出すカタチでした。

終着列車を留置する場合は、
お客さんを降ろしてドア閉めて、到着線から引き上げ線(or本線)引き上げ、留置線に押し込み。
始発列車を出してくる場合はその逆に、留置線から引き上げて本線に押し込み。

簡単です。


しかしめんどくさいのは貨物列車。
貨物列車の場合は到着した駅で荷物を積み卸す必要があります。

到着線がそのまま積み卸し線になっていれば話は簡単です。
降ろして積んで、カマを反対に付け替えればいい。

しかし到着線と積卸線が別になっているとこれがまた本当にめんどくさいわけです。

到着した列車を引き上げ線に移動させます。
引き上げ線から積卸線に押し込みます。

荷物を積み卸します。

積卸線から引き上げ線に引き上げます。
引き上げ線から発着線に押し込みます。

カマを最後尾から先頭に付け替えて列車組成完了!

これはかなり単純化した図式になりますが、
それでもかなりめんどくさいでしょう。

そしてこちらの場合運転台横に乗るというわけにはいきません。
上記では省いていますが、貨物列車の入れ換えにはどうしても連結解放が必要になってきます。

操車担当と連結担当が別ならともかく、
そんな人員用意できるわけもなく。

操車担当が支持を出しつつ連結解放も行うことになります。
なので運転台横には乗らず。よくあるイメージのステップの上にも乗らず。
無線機片手に指示を出すのです。

一例を。
操車「転てつさん打ち合わせ、○番線から引き上げ線、進路・踏切降下いかがですかどうぞ」

転轍「はい、○番線から引き上げ線、01(ポイント番号)が定位、02が反位、
   進路オーライ、踏切降下もオーライです、どうぞ」

操車「はい、○番線から引き上げ線、01定位、02反位、進路オーライ、踏切降下オーライ。」

操車「運転士さん通告、○両持って引き上げ線引き上げです、どうぞ」

運転士「はい運転士復唱、○両持って引き上げ線引き上げ了解です、どうぞ」

操車「はい復唱オーライ、引き上げ前オーライ、前オーライ」


これを繰り返し作業を進めていきます。

ちなみに前オーライの後には無線機の断続音(プー・プー・プー)が入ります。
それを鳴らし続けて合図の継続に代えるわけです。


ちなみに作業には引き上げ線の引き上げ両数制限(長さが短い)やら、
積卸線の積卸箇所制限(特定箇所でしか積めないものがある)やら、
建物配置による制限(建物のある個所で荷物が積めない)やらが加わってきます。

こうなるともはや作業は複雑怪奇。

これをすべて指示を出すっていうんだから操車ってのは大変なお仕事なのです!



とか言いながら、列車の時刻ってのは毎日決まってるものですから。
当然作業も毎日「ほぼ」同じ作業を行うことになりw

大変かどうか、でいえばまぁ…微妙ですよねw
作業を覚えるまでは大変だけど、覚えてしまえばあとはまぁ…

窓口座って切符売るのに比べたら頭は使わないけど、
その分歩き回るしんどさとか、今日みたいな悪天候のしんどさはどうしてもあるってくらいで。

ただやっぱり運転関係っていうのはミスが即「事故」となり、
多くの人に迷惑をかけてしまうわけですからね。

営業でのミスならよほどでない限り取り返しはまぁ効きますが、
運転のミスは取り返しってのはなかなかつきませんから。

その辺の緊張感ってのはやっぱありますね。
月に一度程度しか入らないとその辺の緊張感もしんどかったです。

まぁたまにはいいかとも思いますけどね。
今日みたいな雨の日でなければ…
しんどかったです。



余談ながら引き上げ・押し込みの簡単な模式図。
凸が機関車、■が貨車だと思ってください。

←引き上げ
凸■■■■
押し込み→

簡単ですね。


それでは



これ一つだけで動くときは?
駅でも一部で議論になった話題だったりしますw

まぁ、それも含めて続きはまたいつか。