意地の連休初日

3連休初日は大荒れのお天気でのスタートでしたね。

まぁ3連休関係ない勤務形態なんですけども。
でも、勤務形態は関係なくともお仕事の中身はしっかり連休なんかとは関連してるわけでね。


いやぁ、大変でしたよ。昨日からのお泊まり勤務。
3連休前の金曜日ですから多少覚悟はしてましたけども。

夕方過ぎから徐々にお客さんが多くなってきてまして。
とりあえず夕食休憩も半分で切り上げて窓口開けたんですよ。

あぁ、いっぱい並んではるわ、さっさと売りますかー、って感じで。

しかしそこからが地獄。
今いる駅は出札窓口が2つあるんですが、片方は夕方過ぎると閉めてしまいます。

なので夕ラッシュすぎてからは1窓のみでの対応になります。自分ひとり体制。
そしてそこにまさかのお客さん殺到ですよ。
売っても売っても売っても売っても… まるで途切れることのないお客さんの行列。

最初は余裕でした。
いやぁ、今日はこの時間の割には多いねー、なんて。

しかし。10分たっても列が消える気配がありません。
今日の行列は長いねー、なんて。

15分たっても変わりません。
ちょっとしんどくなってきたなぁ…


20分たっても… って、おい、おい、おい、おい?
え、特急来るよ?時間無いよ?ヤバイよ?


ようやく列の終わりは見えてはいます。
しかし売り切れるかどうかは微妙。もうカウントダウン体勢レベル。


もちろん間に合わないなら乗車駅証明書でも持って車内で買ってください、って対応も有りは有りです。
しかしそれは、出札担当としてのプライドが許すところではないのです。

ここでひとり逃せば、まぁ距離にもよりますが、
駅の取り扱い収入が日当たりで0.3%は下がります。

二人逃せば0.6。三人逃せば1%!

逆に売ればこれはプラスになるわけで。

これが自分の腕一つが左右されるわけですよ。
売らんでどうする、と。

そして制度上、旅客は乗車前に切符を購入して乗車するのが原則です。
裏を返せば乗車する旅客に対しては切符を売るのが原則。

出札担当としてこの場を任されている以上、
この駅から乗る旅客に対して切符を売るのは当たり前、なのです。


大体、車内での購入は場合によれば、他社線に連絡してからの切符の購入になってしまいますからね。
そうなればここで売るのとまた大違いで。販売手数料持って行かれちゃいますよ。冗談じゃない。

厳しいわが社の現状考えれば、売れるのであれば最大限売るのが当たり前です。
1円からでも多く稼がなきゃいけないんです。


ただ、それなら窓口をもうひとつ開ければ割と簡単に済む話、でもあるのです。
単純に対応力2倍になるわけですから。

それに時間には厳しい鉄道職場とはいえ、
こういう状況、頼んでもどうにもならないほど堅くはありません。
少なくともウチの駅は。

しかし。こっちの泊まり勤務者が入る窓口の人間と、日勤者の入る窓口の人間では…
あまり言うのもなんですが、腕前、というか知識面や速度面に…ちょっと差があったり。

そこでまた余計なプライドが邪魔をして。
自分が、よりにもよってあの人に、なんと、出来ないから助けて、なんて言葉を掛ける。
冗ー談じゃない。そんな情けないこと、出来るわけ無かろうが!と。


結局意地が勝ちました。
売り切りました。見たか!



なんてちょっと得意げになってたりもしましたが。
思い返せば、これは些細なことだったのです。

一夜明けて待っていたのはまた地獄でした。

もともと3連休アタマで、午前中の指定席がある程度埋まっているのは前日確認していました。
ちょっとは多いみたいだなぁ、なんて。

しかし今日は、なんと雪の影響で並行交通機関が壊滅。
そのお客さんがこちらに殺到したのです。ちょっとどころじゃありません。
それこそ昨日どころの話ですらありません。


もはや2窓体勢でさえ限界ギリギリ一杯。
途切れない、途切れない、途切れない… 

前日夜も十分急いで発券していたつもりでしたが、今朝はもはやフルスロットル。
普段なら多少並んでも通常ペースですぐに列は消えます。
しかし自分なりに最速でいっても、列が途切れる気配さえない…

普段これやったら苦情来るかも、なんてレベルの速度重視の接客だったんですが。
こんなの、盆正月の忙しい時期でもやったこと無かったです。
心休まる時間は発券操作をしてから切符発券までのわずかなタイムラグ、なんて有様。


泣きそうでした。泣く暇も無いけど。


結局、早朝から朝方の引継ぎまでで、
普段の日の売り上げと同額かまだ多い位の金額を売り上げたのです。

窓口は1日トータル18時間は開いています。
そのくらいかかって売り上げるものを、5時間ほどで…

どんだけかと。

引継ぎ時に見た数字はまるで見たことの数字が並んでいました。
片方の窓口だけでも通常の倍。隣の窓口も軽く通常を超えるペース。

昨日からの全体のトータルだと、盆正月などの最繁忙期さえしのぐ勢いだったとかで。

なんといいますか…
それを乗り切ってやったと思うとちょっと晴れ晴れしい気持ちでした。

俺がこれだけ稼ぎ出してやったんだぜ!みたいなねw

そこに助役から「お前が勤務でよかった、他の人間ならもっと逃してたかもしれない」なんて、
そんなありがたい言葉まで(冗談交じりにせよ)掛けられちゃったもんですから。

いやぁ、苦労も報われるというものです。
しんどかったけどw



でも、考えてみれば、
普段からあれだけの人数を並行交通機関に奪われている、ということでもあって…

こはちょっと複雑だったかもしれません…