脱線事故に遭ってしまったというお話

今日はお休みなのでのんびり鉄道旅行へ。
たまにはこうやって遊びに行かないと気が詰まるってもんですよ。



とりあえず終着駅到着まであとちょっと。
そろそろ乗り換えの準備を…と思ったその時でした。

突如鳴り響く警笛とともに列車が急ブレーキ。
そしてその直後、大きな衝撃音と共に何かに激突したような感触が伝わり、
列車は大きく傾いて停車してしまいました。

詳しい状況はまるで飲み込めないものの、どうやら何かと激突した上に脱線までしてしまったようでした。
とにかく「事故が起きた」自分に理解できるのはその一点のみです。

幸いにして自分に怪我はないものの、周りの人間はみんなそうとは限らない様子。
素人目にも明らかに負傷していると分かるような人もいます。

静かだった車内は一瞬で暗転してしまいました。

そのうちに車掌からか、放送が掛かりました。
踏切内に立ち入った車両と衝突、脱線したとのこと。
それと同時に車外は危険なので車内にて待機して欲しい、との旨も伝えられました。

待機して欲しい、とは言うものの、運転続行は間違いなく不可能なこの状況。
これからどうすればいいのか…


刻一刻と時間だけが過ぎていきます。
車外では何度か車掌が行き来するのが見えましたが、車内の状況はまるで変わらぬまま。
乗り合わせた社員らしき人が車内を回って状況確認を行ってはいるものの、
特にそれ以外に状況が変わることはありません。

一体いつまでこの状況が続くんだ…
そんな苛立ちが車内に充満し始めた頃。サイレンの音と共に救急車とパトカーが到着。


さらにそれと前後してようやく車外に出る準備が整った様で、
車掌が負傷のない人間を後部へと誘導していきます。

あー、ようやく、と思ったら。誘導されてから再び待ちぼうけ。
あっさり外に出られるんだと思っていただけに拍子抜けです。
おいおい、ホントいつまで掛かるんだよ…

んで、よーうやっと避難はしごで外に出れた、と思ったら。
警察に誘導されてとりあえずこのあたりで待っててくれ、と。

さらには名前と住所と乗ってた場所まで教えておくれ、と…

もういい加減にしてほしいものです。
こっちはただのんびり列車に乗っていただけなのに。
なんでこんなところで足止めされてあれからこれから説明する必要があるのか。

もういいだろ。解放してくれよ。
列車乗るのももうどうでもいいし、もう帰らせてくれよ…







と、まぁそんな感じの設定で、脱線事故対応訓練をやってまいりました。
訓練のお話であります。


事前の説明では怪我人役だと聞いていたんですが、
行ってみたらただのエキストラでしたw

いやー、何していいかっていうか、何もする必要がないので
とっても何というか微妙な気分ではありましたね。

本来自分のような新人にこそ対応訓練をさせとくべきでないのかとかちょっと思いました。
エキストラて。同期に久々にあったりしたのは楽しかったが。


でもまぁ、やっぱ思うところありましたよ。
車内はもう社員だけですし、そもそも訓練ですから静かなもんですよ。
でも普通に考えたら脱線事故で負傷者も出て、しかも運行再開は未定、なんて、
そんな状況でそんな静かなわけがないんですよね。

普通に考えりゃ、そりゃあ荒れますよ。間違いなく大荒れ。
訓練として参加して事情や流れを理解しているはず自分ですら、
車外まで誘導の流れはなんともかったるいなぁ、と感じましたもん。

それでもねー。社員としてみれば、それまでの個々の人間の対応に手落ちはなくてねー。
時間自体は確かに掛かってるんだけども、一人一人がやることやって…の結果で。
これがやっぱりお客様としての立場との、感じ方の違いだろうなぁ、と。

分かってるから大丈夫だけど、何も分かってないとあの状況はキツイだろうなー、と思うんですよ。
ちょっと我慢しろとか言われて我慢できる状況じゃないなぁ、と。
ほんで実際事故が起きたら、自分はそんな人々をなだめなきゃいけないんだよなー、と。

いや、なだめて収まるものじゃないと思いますけど。そんな状況じゃない。
考えるだに恐ろしいですね。
でもやらなきゃいけないんだよねー。だってボク鉄道マンだもんねー。


とりあえずただのエキストラかよと思った面もありますけど、
けっこう考えるもこと多くて、今回の行事はためになった気がします。

実際の業務に生かせるときは…来ない方がいいですけどね。

それでも事故って起こるもんですしね。
特に今回の想定のような踏切内立ち入りで衝突、なんてのは。

全線高架or地下鉄のホームドア完備、なんてとこなら、
よっぽどでなけりゃ事故は起きないでしょうけど、そんなことが出来る鉄道なんてそんなにねぇ…

ウチの会社金無いし。
あ、でも全線高架ホームドア完備のあおなみ線が以前に脱線事故ぶちかましてましたね。
ハンドスコッチの外し忘れかなんかで。

確か面接落とされた直後だったんで、まぁ個人的には色々思うところありましたねw
今の立場でいうのはアレなので自重しときますが。


まぁ、安全を支えるのは設備も大事だけど、
まず第一にそこには人間の手があるんだってことなんでしょうねー。

いくら安全の為の対策が施されているからといって、
決して気を抜くようなことがあってはならないわけですよ。


安全運行の責任の一端は、自分の手にも掛かってるんだと。
ちゃんと自覚してお仕事しなけりゃいけないところです。



せっかく安全運行してるのに日付間違えた切符出して車掌さんを走らせるとか論外ですよね!

うん、論外…ですよね…