さよならことでん30形

また一つ列車が消えて行きます。

イメージ 1

ことでん30形。
かつて京浜急行の230形として活躍し、
1977~80年にかけてことでんに移籍してきた車両です。

今回引退する27-28号はその最後の生き残り。
昭和7年製造の名車です。


30形は多くが1999年、2000年に引退し、
この27-28号も本来であれば2001年度に引退のはずでした。


しかしこの年ことでんは事実上倒産。
それと同時に長尾線への新車の導入、及びそれに伴う志度線への冷房車両転属の計画は全て白紙となり、
結果最後の1編成だけが今日まで生き長らえたのでした。


奇妙な運命のめぐり合わせによってかろうじて生き延びていたこの車両。
しかし、やはり時代の流れには逆らえませんでした。

今夏の冷房化率100%達成、
6年遅れの長尾線への新車導入と引き換えに、ついに引退が決定してしまったのです。


最後の花道として明日、明後日の7月7日、8日にさよなら運転が予定されていますが、
その後は解体されてしまうんだとか。

寂しい話です。


イメージ 2



確かに今時非冷房車、というのはサービスの上でもよくないのだと思います。
実際「利用者からの声」で、非冷房車に対して「非常識だ!」とブチ切れている意見も目にしたことがあります。

鉄道ファンならともかく、普段使う人にとっては夏場の非冷房車は迷惑以外の何物でも無いでしょう。
歴史がある車両だとは言っても、歴史で気温は下がりませんから。


私だって夏場に毎日乗れ、と言われればそりゃ嫌です。



そういうことは分かってはいるんです。
分かってはいるんですが… やっぱり寂しさを感じてしまいます。


私がこの列車に乗ったのは今年のGWが初めて。
ほんとにちょっと乗ってちょっと撮っただけだったりします。
こんな人間が「思いいれ」なんていってもおかしいだけかもしれません。


それでもやっぱり解体されるのは寂しいです。
せめて保存してくれれば…なんて思ったりもしてしまいます。


こういうときお金持ちなら自分でお金出して何とかできるんですけどね。
一般人の自分には何にも出来ませんね。それがなんとも歯がゆい。


最後まで何事もなく運行が終わるのを祈るのみです。
長年にわたっての活躍、ご苦労様でした。