2008年戦力分析 ~パリーグ4位・楽天イーグルス~

戦力分析・楽天イーグルス


2005年、50年ぶりの新球団として誕生した楽天
オリックス近鉄のプロテクト漏れ選手を集めた寄せ集めチームということもあり、
加盟初年度はわずか38勝97敗1分(借金59)、2年目も47勝85敗4分(借金38)と燦燦たる成績だった。

しかし3年目の去年は67勝75敗2分。
借金はわずかに8。順位もここまでの最下位を脱出し一気に4位に浮上した。

野村監督最終年。最後に花を飾れるか。


2007年
勝敗チーム得点チーム失点チーム本塁打チーム打率チーム防御率
67勝75敗2分575 (2位タイ)676 (6位)111 (3位タイ).262 (3位タイ)4.31 (6位)

チームとしての数字ははっきりいってよくない。
投手陣の成績はぶっちぎりの最下位と散々なもの。
四死球も最下位だ。


それでも4位にいるのはまさに打撃陣の頑張りあってのものと言える。
2冠王山崎武、パリーグ打率2位のリック、2年目にしてレギュラーの座を掴み.320を記録した草野など。
高須の得点圏打率の高さや、新人ながら25盗塁を記録した渡辺の俊足も光る。

四死球数も2位と、打線に関しては強い。


しかし実は併殺数がプロ新記録の144。
守備面で見ても失策数、捕逸(パスボール)もぶっちぎりの最下位という数字が残る。

打線が強いというより、打つ以外が酷い。


野村ID野球のイメージとはうらはらに、実は案外「粗い」チームなのである。


さて来季は。
先発の柱になるのは、
昨季11勝を挙げ新人王を獲得した「マー君」こと田中将大だろう。

高卒2年目が柱とはなんとも情けない話だが他にいないので仕方ない。
朝井、岩隈に一場辺りにも奮起してもらいたい。

新人長谷部にも期待がかかる。

中継ぎ以降が少し弱い。
FA移籍した福盛の代わりは小山ということになるだろうが、
そこまでにつなぐまでのところに少々不安を感じる。

成績だけ見れば、右なら山村・永井、左なら渡辺恒が中継ぎの柱だろうか。
彼ら以外がもう少しまともな数字を残してくれないと、
せっかく打撃陣の頑張りでつかんだ勝ち試合をみすみす落とすことになってしまう。

打撃陣は不安が無いでもない。
2冠王山崎が堂々の主軸ということになるだろうが、
年齢や足の不安を考えるとどこまでやれるかには少々疑問が残る。

となればかつての主砲フェルナンデスに奮起してもらいたいところだが、
果たして去年の「人生最大のスランプ(自称」からの脱却はなるのだろうか。

まぁ不安といってもせいぜいこんなところ。
あえて言うならもう少し外野に若い人材が出てきて欲しいところだ(内野の面々も若くは無いが)。


総合的に見れば、そう戦力の整っているチームではない。
しかし「粗い」チームだけに、上手くはまれば一気に上位浮上の目も見える。
併殺数を減らすだけでも物凄いことになりうる。
裏を返せば一気に沈むということもありそうなのが悲しいところだが。

個人的にはCS出場を期待したいところだ。



☆個人的に気になる選手
朝井 秀樹
テレビで見るたびに好投している印象がある。
140km中盤の速球にキレのある変化球。時折混ぜる落ちる球も非常に有効に使っている。

こりゃ2桁勝ってもおかしくない投手だなと2年前あたりから見ているが、
一昨年は2勝5敗。去年は躍進したものの8勝8敗。こんなもんなの?と思わず声が出た。

どうやら自分が見てるときだけよく頑張っているようである。
そういう意味ではオリックス後藤と同じタイプだろうか。

中島 俊哉
オリックス契約金0円選手の最後の生き残り。
頑張ってほしい。

岩隈 久志
近鉄時代にブレイクする直前、グリーンスタジアムの駐車場でファンにサインする姿を間近で見た。
間近、というかほとんど目の前で。

2段モーション時代のフォームがすごく好きだった。

ちょっと前まではあのときサインもらっときゃよかったなぁ、と後悔することしきりなのだったが、
最近は投げるたびにどこかが痛いと言い出しているイメージしかない。

もうちょっと頑張れ。



次回はセリーグ3位・阪神タイガース